先日マクドナルドで写真撮影のレクチャー本を読んでおりましたら「写真にどうストーリーを感じさせるか」という項目がありました。

ballerina by Marta Bevacqua on 500px.com

たとえば女性の写真の場合、ただ美しく撮るだけではなく脱いだブラウスとか靴下とか、ヌードなら下着を脇に置いたまま写し込むだけで「ストーリー」が生まれると。
簡単にいうと想像力が掻き立てられる訳です。
他にも水着の跡だったり鳥肌というモノの扱いが「リアリティという名のストーリー」に深く関与してくるとのこと。

これは全く持って音楽にも言える事ですし、今の音楽に最も足りてない要素な気がします。
つまり、ラーメンの写真なのに湯気が立ってないじゃん!!みたいな(笑)のですよ。

音楽で言うとまずは一見不要なノイズ成分。フレットノイズやピアノのダンパー音 。オーケストラの録音に於ける指揮者が構えた時の「ざっ」とした団員の衣摺れの音等々。
マニアックなところで言うとギタリストのエフェクターの踏んだ音や一瞬途切れた様子。バスドラのペダルのキコキコ音。
これらは全て、「あぁ人間が演奏しているの哉」を意識させます。

ノイズ面だけでなくテンポが揺れたり走ったりとか、キメの一瞬のズレや。また、大サビの一番高いところで歌が一瞬掠れるとか、曲最後のロングトーンの消え際でほんのすこし音程が下がる、とか。

そういったなんでもない「ちょっとした風景」が音楽にストーリーを生みます。

昨今「インスタ映え」というのがあるそうで食べ物でもなんでも「どう美しく見えるか、いいね貰いやすいか?」が重要とのこと。しかし、ラーメンのインスタ写真だとしてあまりにもアングルや写りが良すぎたり箸や胡椒の配置まで計算してあったりすると
「あぁ、ラーメン食べるのそっちのけで写真撮ってるわ。そんな事してたら麺伸びてまうやん」
となり、
「ほんとに美味いラーメンならまず食うだろ」
と、そのラーメンの美味しさそのものに懐疑が産まれたりするもの。

つまりこのようにレコーディングも「ただ美しく均整が取れていて精確」というのでは味気も何もなくなるような気がしてくるのです。

ちなみに筆者の場合は、おっぱいの写真ですと下着の跡が残ってる方が「リアリティ」を感じる事が出来て、よろしいかと思います。

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