クラシックレコーディング体験企画 於 函館のお知らせ

このところクラシック関連のレコーディングでお世話になっている函館の『サロン・エラール』さんでこの夏、クラシックのレコーディングの体験企画をせせていただくことになりました。エラールさん所蔵の1918年製のフランスのビンテージピアノ『エラール』を使用してのレコーディングになります。

ピアノソロやピアノ+歌、+バイオリン、+フルート、+クラリネット、、、、等のアンサンブルにおすすめです。

最大ではpiano+弦楽4重奏くらいまで対応できますよ。

こちらのピアノ『エラール』は日本はおろか、世界でも珍しいオリジナルを保った個体で大変貴重なものになります。最近の古楽器ブームで世界的に注目されている楽器なんですよ!

ドビュッシーやラヴェルなどのフランス作品はおろか、モーツァルトやショパンにも合うことでしょう。バッハとか最高だと思います。ピッチは442になっているそうです。

現代のピアノよりも繊細な音がする、大変芸術的な見た目も美しい楽器です。

函館や札幌のみなさま、貴重なこの機会にぜひレコーディング体験を!お安く設定しております。

また、オプションでアーティスト写真の撮影もいたします。お待ちしています。

お問い合わせは当サイトから、またはこのフライヤーの『サロン・エラール』さんまで。

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『御大』工藤義弘のSOLO!

去年の今頃でしたか、EARTHSHAKERの新作アルバムのレコーディングを江戸前でさせて頂いていました。

その時、最後に僕の個人的な要望で記念に録音させて頂いていたドラマー工藤さんのSOLOテイクをご本人のご好意で公開させて頂ける事になりました。

ドラムは全てPearlのMasters Customで、26インチのツーバスに4タム2フロア!江戸前史上最大の19本のマイクが使用されています。

最近は2-3本てのが多いので(笑)

※ちなみに去年のドラマガのドラムソロ特集の収録で同じ工藤さんをESPのホールで録ったときは21本だった気がします。

今回公開するサンプルをミックスしていて、『なんかがESPの時と音がちがう。なんかが、違う。。。』

そりゃ大きめのホールで録ったのとウチではそりゃ違う、しかしそれ以上に違う。なんでだろ。。。

と思ってたんですが、そりゃ違うわ。タムのヘッドがESPの時はコーテッドでしたが、今回公開させて頂くのはピンストでした。どちらが好きかは好みですし、工藤さんも経験による大きな計算があってヘッドを使い分けておられます。今回公開させて頂く音とドラマガでの音、基本的なマイキングや処理はほぼ一緒ですが、どちらが好きでしょうか?聴き比べしますと楽しいかも!

※EQはタム類のマイクの超低域のcutのみ使用。コンプ未使用。

マスタリング処理済み。

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機材選定という地味な愉しみ

今度始まるアコギとエレクトリックギター二人だけの珍しいデュオのレコーディングの為に、機材チェック。

コンデンサーマイク4本とマイクプリ7種。

マイクは67等を抑えオーディオテクニカの4080が最高評価。

マイクプリはRMEとapiが圧倒的に高い評価でした。

特にapiはローがあるのに遅くないところ、RMEは全くもたつかないサウンドなところが良いと全員一致の意見。

オーバーロード気味にして録るドラムとはまた違う評価の出方かもしれませんが、とにかくapiを良くないという人は全く見かけないですね(笑)

今回のテストで特にクラシックにはapiとRMEの組み合わせが最高そうという予想がほぼ事実だったのが証明された感じ。

クラシックの録りでは天まで届かんばかりの高域の艶が必要だけど、そればかりだと細くなりがちなバイオリンやオーボエ、トランペットなどの楽器にapiか豊な太さを与えてくれそうです。

この夏はクラシックのレコーディングの企画もあるので楽しみです。

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今は失われたかもしれないジャニーズの凄さ

ジャニー喜多川さんが亡くなって死ぬほどジャニーズの曲が掛かってますが、やはり何が凄いってあんなに上手じゃないのに素晴らしい『歌』が過去に多かったってことだと思います。

真の意味でホントに歌の上手な人ってジャニーズにはいないんじゃないでしょうか?雰囲気的に上手い感じの人は何人かいるけど。

マッチしかりSMAPしかり嵐しかりTOKIOしかり。

壊滅的に上手ではない。もうどうして「そこだけ」抜け落ちてんのってぐらい(笑)

しかし、その上手じゃなさが非常に音楽的な魅力に昇華してて音楽として唯一無二のパワーを持ってる気がするんですね。

夜空ノムコウの中居くんの歌なんか鳥肌立つぐらい良い。

ジャニーズは踊るし演技もするし、バラエティもやる。歌は一要素でしかない、けどどうしてあんなにみんな心を込めて素晴らしい歌を歌えるのか。

例えば、世界に一つだけの花はエグザイルとかが歌ったら興ざめでしょう(笑)


ジャニーズの昔の(最早SMAPの代表的な曲も”昔”)を聴くと本当にいいなと思う。

しかし、最近のは。。。。。。

歌の魅力が半減してる気がします。

怒涛のレコーディング技術の進化(?)による編集で。。。。

ホントに「歌」がつまらない時代になりました。

SMAPなんて収録のレコーディングスタジオに全員揃うことはなく、一人一人さらっと歌って帰って行ったなんていうけど、なんであんなに全員一致した素晴らしい歌のバトンを渡せるのか。

それはプロフェッショナルだからに決まっている。

↓日本歌謡曲史上最高の名盤のひとつ。。。。

ニューヨークの一流ミュージシャンの演奏すら霞む歌たち。

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ドラムの位相の問題を解決する方法として知られていることがとても問題である件

ドラムと言えば位相ですね。

※そうなん?(笑)


ドラムのレコーディングについて調べるとwebでは位相云々が出てきます。

ウチのブログも結構出てきます。(笑)


で、僕はそんなこと書いてないんですけど位相の問題をクリアするには

「位相のズレやすい音域を始めからカットしちゃう」って事を色んな人が結構書いてます。

そうです、「位相の問題を優先しすぎて、ドラムの音としては必要な音をカットしてる可能性がある」ってことなんですよ。


主に位相が問題になるのは中低域ですが、その為にドラムの美味しい音成分をレコーディングエンジニアが何の権限か知らんけど勝手にカットしちゃう。ドラマーから見たら「えー?そこ一番美味しいとこなのになんでカットすんの?大泣」みたいなことをやらかしてる。(ドラマーから見たら位相なんて知ったこっちゃないんで)


良く考えて下さい。位相ってのはインタラクティブなもんなんですよ。(笑)なんやねんインタラクティブって、「相互関係」です(笑)


例えばタムの位相問題ってのも「タムのマイク」と「トップのマイク」の相互関係があるから起きるんです。基本的には。(ほんとは他のマイクも全部関係あるけど)


だから本来どっちのマイクからもローをEQしカットするなんて必要はない。

どっちかだけ適切に処理すればいい。しかしどっちも捨ててしまったりする訳です。位相云々の為に大切な美味しい音の成分を。(エンジニアの未熟さによる都合で。。。)


というか、江戸前のレコーディングでは例えドラムにマイク22本立てても、セッティングの初期の段階のチェックですら位相の問題なんてほっとんど起きません。まずゼロ。


多少引っ込むタムがあるかなぁって時があるくらいです。そこで別にEQなんて使いません。

マイクをほんの少し動かすだけで解決します。


本当に位相が問題になることなんてないので、EQなんか使うわけないんですね。


マイクの位置で全てなんとかなるのが位相だと理解するべきです。


他人の録ったドラムをミックスする際はどうしようもないのでEQするしかないですが、波形ズラすとか。


厳密に言うと色んなテクはありますけどね。そこは言葉で説明出来ないことなので書きませんが!


一言言えるのは、マイクの位置が全てです。


EQやコンプやるほど位相はこんがらかるし、シンバルの音はウソくさくなりますよ。


まぁ、その特性を音楽的な説得力を持って利用するのは当然正しいアプローチですし、僕もやりますけどね。


補正として使うのは未熟だと言えます。


※ツイッターやめたからブログのいい方がストレートになってんなぁ(笑)

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原音忠実とはなにか?

世の中、ちょっとオーディオや音楽に凝ってる人にはおなじみの「ハイファイ」とか「ハイレゾ」とか「原音忠実」。


ハイファイやハイレゾはなんとなく機材スペック的に性能がいいのを指すのはわかりますが、では原音忠実とはなんなのでしょうか?


言葉から連想されるのは「ありのままの音である」ということでしょう。

しかしレコーディング的に「ありのまま」であろうとするのは物凄く難しいのです。不可能です。


デジタル録音ならその性能の範囲であればどの帯域でも正確に信号化出来るのはほぼ間違いないです。


では、何故難しいのか。。。

それにはひとつ。マイクの性能は耳とは違うというのがまずある。

そして、再生するスピーカーやヘッドフォンも特性がまっすぐではないのです。


そもそも耳と違う性能のマイクで記録したものを、またいびつな特性のスピーカーで再生する。何枚もの歪んだガラス越しに見てるのに等しいわけですね。まぁ、高性能のレンズに例えるほうが正しいかもしれませんが。


そうです。写真の世界では記録色と記憶色という言い方があります。

印象的だったり素敵な風景や光景というのは頭のなかでもっとドラマティックだったり美しく脳内変換されるのです。例えばもっと鮮やかな夕陽や青空や青い海に。。。



オーディオや音響の世界にも似た用語があります。


「物理量」と「感覚量」です。

物理的に10の音があったとして、耳には8に聞こえたり15に聞こえたりするのです。

それは各人の耳の誤差や環境により大きく変わってきます。

年齢でも変化するでしょうし、その時の気分ですら変わるでしょう。


そうなってくると一体「原音忠実」とはなんなのでしょうか?コンサートホールやライブハウスで感動した音楽や音を思い出して下さい。


原音忠実とはあくまでも周波数特性的に原音に近ければいいのでしょうか?

しかし、それは環境や各人の耳の特性等と合わせると決して忠実とは言えない。


とすると結局、そのもともとの音や音楽の印象に感覚的に近いもののほうがもしかしたら「原音忠実」かもしれません。上手く描けた似顔絵のほうが忠実にその人の人柄を表してる、みたいな。


つまりレコーディングスタジオで音楽を収録する、というのは本来のその「音楽をどう表現し伝えたいのか?」を具現化する過程になります。

一つ一つの音楽にとってふさわしい音をふさわしい方法論でレコーディングし、作品化していく。


なにもハイファイにフラットな「つもり」の機材で録音したから原音忠実で素晴らしい録音かどうかなんかはわからないんですね。


そこをどういう技術や機材やプロセスそしてスタンスでレコーディングしていくか、具現化していくのかを追求していくことが、一流のレコーディングエンジニアリングであると信じているわけです。


俺にそれが出来てるとは絶対言わんけど。


結局、原音忠実であるかどうかなんてのは感覚量に大きく依存する音楽そのものにとってはあまり大した問題じゃないのかもしれません。


結局は「作品」としての質が全て、なのでしょうね。

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my twitter is dead

おはようございます。

長いあいだ過ごさせて頂きました江戸前のツイッターですか、昨日終焉とさせて頂きました。

特に引き金になった事柄や炎上があるわけではありませんが、一つ色々変革していこうかなと思いまして。

一つ、可能性としては写真のアカウントとしていつかまた始める可能性があるかもしれませんが(笑)

引き続き、江戸前の営業やご相談等は普通に当たり前ですがやっていきますので、このブログやウェブの方をご贔屓頂けますようお願い致します。

ツイッターでご挨拶しても「消せば消えちゃうし」と思い、特に前触れもない感じで大変失礼いたしました!

悔いがあるとすれば、炎上ってしてみたかったなーって事ですか(笑)

なお、instagramの方はem0510gsでやってますし、お問い合わせはもLINEのem0510gsでやってますんで、そちらへどうぞ。

ツイッターでお世話になってた方でインスタをやってらっしゃる方は見つけ次第そちらでフォローさせて頂くと思うので、その際はまたよろしくお願い申し上げます。

早く行け早く行け見失わないうちにGO AHEAD!

異次元探査転生へ。。。。

江戸前レコーディングス

しかま

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レコーディングエンジニアの『チカラ』と『権限』についての一つの問題提起

いーちにーいさーんしーい!

と、

いっちにっさっんし!

では気分やノリが違う訳です。

では、ドラムに置き換えてみましょう。

1と3はバスドラ
2と4はスネアにしましょう。

それはチューニングで音の長さをどう設定するかと同じです。

そのテンポやグルーヴ、リズムパターンに合う音の長さ「音価」があるわけです。
ドラマーはみなその長さやそれに対になるアタック成分のバランスを絶対本能的に気にしています。楽器のチョイスからそこは大事ですよね。

レコーディングエンジニアはその出た音に対して絶対的な「操作するチカラ」を持っています。音色を変えるチカラを持っています。実は倍音成分のどこかをマイナスにしたりプラスにしたりすれば音色が変わるだけでなく、音価が変わる可能性が大きいのです。コンプもそう。

「音色が変わるだけでなく、音価が変わる」
「オケの中での聴こえ方以前に音価が変わる」のです!。。。

音価は音楽を演奏する上での大事な要素の一つ。

音色や音程などと同じぐらい尊いものです。

それを弄るチカラを持ってるんですよ、レコーディングだったりミックスをするエンジニアは。

それを「権限」だと思ってないですか?

洋服を着物に変えるぐらい、一重の瞳を二重に変えるぐらい、ふくよかな体型をスレンダーに変えるぐらいのことが出来ます。

果たしてそれを結構勝手目にやっちゃっていいんでしょうか?

ドラマー側も「そんな服着てないです!そんなにガリじゃないです!」

ってもっとレコーディングエンジニアに言っていいと思いますよ。

ほかのメンバーに対してもね!

夏、来てる?

夏、来てる?

「音色」とはなにか?と、機材の相性について

 サイン波っていうのがありますね。


一つの波だけで出来たピーって音が。あの音からは音程を感じることができます。ドレミ的な。


ではあのピーの音と同じ音程であるけどもピーじゃない音色、ピアノだったりバイオリンだったりギターだったり声だったり。


何が違うとそう感じるのでしょう?

それは「倍音」構成です。


倍音とは元のピーにたいしてどんな音程の違うピーが重なってるかってことです。簡単にいうと。

その倍音の重なり方の違いが音色になるんですね。

(音色というものには、そのほかにも時系列による重なり方の遷移や、音の出た瞬間のそのアタックの出方などたくさんの要素が絡みますが、割愛)


倍音の重なり方の個性だったりピークをフォルマントと言ったりします。この分布の違いが例えば人の声質の違いになるわけですが。


つまり、倍音がどう出てるかでいい音に聞こえたり悪い音に聞こえたりするわけです。


ギターのディストーションも倍音の強烈な付加の結果です。

ポーンって音がビョーンって変化するわけですよ。エフェクターやアンプの電気回路に負荷を掛けて「発振」させてるわけです。わざと。それが美しくなるように設計されてる。


ギターの弦やベースの弦の種類の違いも倍音の違い。ドラムのヘッドでもコーテッドの音とクリアやCS(コントロールドサウンド、まさにその意味!)の音の違いも結局は倍音の違い。それをさらにチューニングでコントロールします。

スネアならスナッピーが倍音の強烈な付加を手伝ったりします。


シンバルなんてのはもう基音がなんなのかわからないくらい、音程を感じないくらいのランダムな倍音の集合体なわけです。つまり基音が少ないからシンバルには殆どキーという概念がないわけですね。スネアやタムはもう少し音程を感じる事ができますが。(チューニングによる)


このように世の中の楽音は全て基音と倍音のバランスによって成り立つと言えます。


江戸前ではよく「スタジオのビンテージ機材による音色感はドラムのチョイスやチューニングで出せる」と言ってきました。


それはつまり楽器側の倍音コントロールで結局は似たことが出来る、という意味なんですね。


EQはわかりやすく倍音をいじるものなのはお分かりでしょう。コンプも時系列に対し倍音をコントロールするものと言えます。(また、単純にその回路により独特の倍音が付加されるのもある)


NEVEやSSLなどのマイクプリの個性云々、それらを通すとシルキーになるとか太くなるなんていい方も倍音がどう負荷されるかって事です。


スタジオのレコーディング機材にも種類があり、音を変えないほうがいいという考えで作った機材もありますし、音をいかに美しく変えるか?をコンセプトにした機材もある。当初の設計のコンセプトは違ったけども、音を突っ込んだらいい倍音がたまたま出たことが個性になっている機材もある。


学校の体育館での朝会のマイクの割れなんてのもきっとどっかでツマミを上げすぎてるわけですよ。ギターの最初期の歪みもそういう意図せず歪んだらかっこよかった、というやつのはずです。それが歪ませるのを目的とした機材の登場につながっていくわけです。


ツマミを上げた時にどう音楽的に割れてくれるか、つまり歪んでくれるか?

その倍音の付加具合がその機材の音色的な個性になります。


けど、ドラムやギターに例えるとチューニングやエフェクターによって程よく倍音を付加してあって既にいい音色になってるのに、二重でレコーディング機材でそれをまた増やしたりすることも起こり得ます。それは結局音を限度を超えていじってしまい崩壊させる結果になる場合も多々あるのです。


なので、この機材だからなんでも使える。やっぱ◯◯だからいい音だ!というのは、レコーディング全体の音のプロセスから言うとそんな大きな割合の話しではない可能性があります。


同じ機材を使ってもいい音をにもなれば悪くもなる。

同じ太鼓やシンバルでもいい音にもなれば不快にもなる。


これは全て前後のプロセスとの相性、ミュージシャンなら演奏そのものの身体の使い方や力加減の個性だったりとの相性です。


そもそも自分の演奏における音色の個性と楽器や機材の音色の個性がマッチするかしないか。


そういうのを客観視できる耳や感性をもっと持つといいのかもしれません。


レコーディング機材だけでなく、ドラムもギターもベースも機材という機材全部に言える。


これはレコーディングにとって最も大切なことです。


ドラムに関しては僕はそういう聴き方しかしてない、いや、そういう聴き方しか出来ないと言っても過言じゃないかもしれませんがねー(笑)

相性の悪かったプロセスを経た音はこういうことをする必要が出てくる可能性があります    

相性の悪かったプロセスを経た音はこういうことをする必要が出てくる可能性があります 

 

カネタクGLOOOOOOOOOOVE 4 U

先ごろスネア女子のA&F編(こちら)のページで公開した@kanegawa5471 金川卓矢さんによる試奏動画ですが、

ななななななななんと!

その時の別テイクをLOOP素材で使ってみますぅ?のコーナーを金川さんのご好意でご用意!

24bit48kの高音質wav素材です。ご自由に遊んでみてください。リボンマイク2本のシンプルマイキングです。

使い方によってはディアンジェロとか的な質感出せるかも??!!!


チューニングは@kitaz07 北村優一さんです。

GOOGLE DRIVEのリンクですんで、わかる人はダウンロードしていただけますよ。

なんか作ってみた方は是非江戸前twitterまでご報告ください、ご紹介させていただきます!

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エックス (X)の『JEALUOSY』は、なぜあんなに音が良く、名盤なのか。

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江戸前ブログ史上最高viewを記録した「エックスのBLUE BLOODは何故あんなに音が悪く、名盤なのか」に引き続きまして(笑)、、、。


日本の音楽史上最も音がいいと言われるおなじくエックスの「JEALOUSY」。

ではなんでその「JEALOUSY」は音がいいのか?を今回はお送りしましょう。


中学生のころですかね、発売日に買った「JEALOUSY」のCD。「BLUE BLOOD」があまりに酷い音だったのである意味期待してなかったのですがその音のクリアさ、ダイナミックさと躍動感にかなりのショックを受けた記憶があります。


何故ひとは「JEALOUSY」をいい音に感じるのか。


一個一個分析してみましょう。


まず、

1.音に一切のオーディオ的な歪み成分がない。

音が非常にクリアです。歪みは必ずしも音にとって悪いモノではないのですが、前作「BLUE BLOOD」の濁り感や汚さは不要な歪みによる部分も大きかった。しかし「JEALOUSY」のレコーディングではこの、特に”ロック”では大切な要素である「歪み」を一切排除しています。←ここは最後の方に触れます。

(この歪みとは、ギターの歪み•ディストーションとは全く意味の違うものです)


次のポイントは

2.「音のダイナミクスがめちゃくちゃ広い」。

どういうことかと言うとつまり、全ての音が潰れてないんです。これは昨今のコンプだのマキシマイザーだのの未だに潰しまくった音に慣れている現代の中高生にも衝撃を与えています。強い音は強く、弱い音は弱く。しかしポップスやメタルミュージックに大切な「音の均一性」はしっかり担保されています。そう、この「音の均一性」がグルーヴや音質には大切。「揃ってる感・作品感」ですね。しかしこのアルバムでは「音を揃えてるのに潰してはいない」のです。


もう一つは

3.「周波数レンジがとても広い」。

下は30Hzあたりから、上はCDではスペック上22kHzまでですが、しっかり満遍なく出ています。近頃日本のミックスの低域の足りなさが有名アーティストやミュージシャンによってクローズアップされていますが、30年前にして完璧にこのポイントをクリアしていたのです。

しかも豊富な低域は高域にさらなる輝きを聴感上与える働きをするんですね。 同じように高域が出たミックスでも低域が足りないと単にうるさい高音になってしまい兼ねません。



以上「JEALOUSY」の音がいいとされる三つの聴感上の特徴ですが、では何故そういう音に仕上がっているんでしょうか?


最大のポイントは「オーバーロードさせても歪まないマイクプリを使用している」こと!そして「コンプレッサー」を使用していないけど、マイクプリをオーバーロードさせて音を圧縮している。これが音の最大の秘密な気がします。


ややこしいですが、(笑)

つまり、「オーバーロードさせて音の均一性を得ているのに、歪んでいない」んですね!


エンジニアリングを全く知らない方にもわかりやすく語りますと、

マイクから出てくる電気信号は小さすぎてそのまま録音できないのです。そこでマイクプリアンプという機材にマイクを繋いで音を増幅させるのですが、ツマミを上げてマイクからの電気信号を過度に増幅させようとすると歪むのです。ようするに音が「割れる」わけですね。

しかし、多くのマイクプリは「その割れる一歩手前の程よい歪み」に個性を持たせ、それを最大の売りにしています。適正に設計された程よい歪みは音を時として美しくするんですね。また、そのサウンドの違いが個性とされ時に神聖化されレコーディング現場で重用される。


特に「ニーブ」というメーカーのマイクプリはシルキーなサウンドといわれますし、「SSL」にはニーブとは違った美しい歪み感がありそれぞれにファンがいます。他にも様々なメーカーがありそれぞれサウンドに個性があります。


ところが、オーバーロードさせても歪み感を感じさせないマイクプリというのがあるんです。それはapi。このマイクプリはアメリカンな太いロッンロールサウンドなどど言われていますが、しっかり音をほどよく圧縮してくれる(コンプレッサーより自然に音の粒を揃えてくれる)のになかなか歪まないという最高の特性を持っています。


しかも高域も低域も非常に伸びていて物凄くハイファイな特性なんですね。


もちろんニーブやSSLも歪ませない使い方をしますが、そのかわり圧縮感は少なくなる、またはなくなります。そこが最大のapiとの違い。


ここはもちろん想像でしかないのですが、この「JEALOUSY」はapiで録られたモノではないかと推測されるのです。(「JEALOUSY」のレコーディングでメインに使用されたL.A.の当時のコンプレックススタジオの機材の情報はネットでは見つけられませんでした。)

しっかりある程度圧縮を施された、均一性を持った音なのに歪み感もコンプ感も一切ないドラムサウンド。それはもうapiではないかと思うのです。


「BLUE BLOOD」の音の悪かった理由は、先のブログに書いた「部屋の問題」に加えニーブのマイクプリやコンプレッサーにより付加された「歪み感」がエックスのドラムサウンド、バンドサウンドに向かなかった。というのもあったと推測されます。(信濃町スタジオは全てのスタジオがニーブの卓であったし、時代的に外付けのマイクプリを使ったとは考えにくい、なぜなら「卓」全盛の時代でしたから)


加え、特にドラムサウンドがいいのは当時日本より何歩も先に行っていた「ドラムテック•チューナー」の存在。「(BLUE BLOOD」でもおすぎさんという日本の元祖ドラムチューナーさんがついておりましたが。)この「JEALOUSY」のテックさんは後述のエンジニアが連れてきたとか。。。


それとおそらく、僕はYOSHIKIさんの生音を聞いたことがないのですが、

「BLUE BLOOD」のレコーディングで苦労した分おそらく「JEALOUSY」までの間に奏法をかなり無理のないように鍛え直したのではないでしょうか。つまりただパワーに任せて叩きまくるのではなく、適度な音量かつ1番いい音で太鼓が鳴るスタイルへと。。。。


何より音がいいのは本人の音がいいからというのが最大の前提になりますから。


シンバルもスネアも全く歪んでないんですね。おそらくYOSHIKIのサウンドはすぐ目の前で聞いてもパワフルでありながらとても心地よく痛くない音のはずです。


最高のセッティングとチューニングで最高の楽器を最高のプレイで奏でる。

当たり前のことが成立していたと断言出来るでしょう。


それと、少し戻りますが、何故「JEALOUSY」のエンジニアはそのようにコンプも使わず最高にファイファイな音でレコーディングするというアプローチを取れたのでしょう?


それは、「JEALOUSY」のレコーディングエンジニア•ミキシングエンジニアの「リッチー•ブリーン」はジャズやフュージョン系のサウンドを主に手掛けるエンジニアだった、ということです。

自然にダイナミックでHi-Fiにという、全くロックやメタルのエンジニアとは違うアプローチをそもそもしていた可能性があります。


このエンジニアを探して来たのは亡きTAIJIといいます。ロックやメタルだけでなく幅広く音楽に精通していた彼らしい逸話ではないでしょうか。


で、


最後にもう一つこの完璧なサウンドが完璧な状態でCDになった奇跡。


それはマスタリングの素晴らしさもあると思います!

マスタリングは信濃町スタジオの巨匠田中三一さんですが、もうレジェンド中のレジェンド。デジタル処理によるマキシマイズの技法が産まれる前の真の巨匠ですね。

しかも、この「JEALOUSY」のリリースされた時期がまたよかった。


いわゆる「音圧戦争」にまだ突入する前の1番いい時代だったのですね。


「サイレンジェラシー」を聴いて見て下さい。サビ前のストリングスのフレーズがバッと前に出てきます。そしてなによりラストのストリングスのクレッシェンド!!うおぉぉおって感じで大きくなって曲が終わります。これは今のひたすら圧縮するマスタリングでは不可能な音楽表現。(ちなみにリマスター版ではここの部分がかなり犠牲になってました。。。。音圧あげちゃった分。悲し)


さて総括しますと、

「api」(と思われる)による歪みを加えることのない、しかもコンプを使用することなく圧縮感(均一感)を付加したレコーディングとミックス。マスター段またはマスタリング段においての「本当に薄く薄く掛けたトータルコンプ」による絶妙なサウンドコントロール。これが秘密か?!で、いつも言ってますが、ドラムの音がよければ他の楽器も全部いい音に出来るんです。。。。。


『レコーディングエンジニアの技術とセンス、そして絶妙な時代であったが故の最高のマスタリング』


そしてなによりも「BLUE BLOOD」で失敗したサウンドを二度と繰り返したくないというYOSHIKIをはじめとしたバンドメンバーの気合いと情熱が(あくまで想像だけど)「JEALOUSY」をエックスのもう一つの金字塔にさせたのは、言うまでもありません。


「いつまでも聞ける最高の音楽を目指しています」YOSHIKI


これは30年経って完全に実現され、証明されています。


ああ、コンプよさようなら。

※江戸前ではこの夏apiを8ch導入いたします。お楽しみに。

「マイクの吹かれを過度に嫌うエンジニアは蒼井優に耳元で囁かれたことが無い悲しい男」

昨日のBLOG

『X(エックス)の『BLUE BLOOD』はなぜあんなに音が悪く、名盤なのか』

https://www.edo-mae-recordings.com/blog/2019/6/4/x-blue-blood

は、すごいアクセス数でした。今日はその続きの『なぜ音が悪いのかpart2』を書こうと思ったのですが、かなり危険な内容な気がしましたので、あと10年ぐらいお待ちください。

さて、今日は真面目な話。

「マイクの吹かれを過度に嫌うエンジニアは美女に耳元で囁かれたことが無い悲しい男」。

そんな仮説を提唱する僕なのですが、実際マイクの吹かれに神経質なエンジニアやプロデューサーさんは本当に多いですね。特に日本人、その気質と思われます。

「大丈夫。吹かれてない?」
よく言われます。(笑)

そんなとき、『吹かれてるぐらいで丁度いいんすよ!』
と平気で言います。僕(笑)

これ絶対吹かれちゃ駄目なマイク!!リボン!!

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まず第一に僕が気がつかないわけはないんですよwww。
どんな些細なノイズやピッチのズレ等、気がつかないということはマズありません。

問題はむしろ、マイクの吹きが醸し出す音楽的魅力やリアリティに『皆が気がついて無い』ということにあるのです。

吹かれって基本的に低音で「ボフっ」ってなるんですが、そんなものは帯域コンプや波形処理でどうとでもなる。
吹いたから録り直しなどは完全にナンセンスなのは言うまでもありませんが、吹いてるからこそゾクって来ることもありますよ?

フランス語のシャンソンとかマイクに近接する程エロいです。リアリティ。
これはマイクに近接して収録するレコーディングだからこそ得られる、リアリティとはいえないでしょうか。
離れて鑑賞するライブでは得られないからこそ聴ける音楽表現。レコーディング作品の素晴らしさや録音の芸術がここにあります。



例えば、オーケストラのオンマイク収録。

好みの問題もありますが、指揮者が構えたであろう瞬間の奏者の身体の動きを衣装の衣擦れや呼吸音に感じる事が出来ますでしょう?今まさに迫真の演奏が始まるという気配。。。。

これがリアリティなのです。
リアルには本来客席ではそのような音はほとんど聴こえません。
しかし、それを捉える事が出来るオンマイク収録。

「リアルではなく"リアリティ"」

そんな感じでレコーディング現場のリアリティを一番伝えてくれる一つのエッセンスがマイクの吹かれだと思うんですわwwww

Gabrielle Aplin / Salvation

曲全体でマイクが吹かれまくっています。
それを気にならない程度まで丁寧に処理してあります。聴いてみてください。

マイクの近さから来る息づかいやLIPノイズまで含めた”リアリティ”が素晴らしいです。
ゾクゾクしますね。
それがアレンジや映像と相まって見事なアートに昇華しています。

この歌を吹かない距離で録ったら味気ないと思いますよ。。。。。
ここまでセクシーな録音はないです。
mixまで含め完全にコントロールされ尽くした曲。
この曲だけでなくこのCD『ENGLISH RAIN』全体が素晴らしい曲とサウンドに埋め尽くされています。


さて。

あとセクシーと言えばこれ。。。。

このCDはド頭歌い始めからいきなり吹いていてしかも全編に渡って吹いているんです(笑)。
※この曲は4曲目。

当時は沖縄民謡はおろか沖縄にも全く興味がなかったのですが、このCDはタワーの視聴機で聴いて一発でノックアウトされたものです。

『なんなんだこの近さとリアルさは!!そして声の説得力は。。。』

おじいちゃんに『マイク吹かないように注意して距離を保ってくださいね!』
なんて注意しても無駄だしナンセンス、って判断した現場の雰囲気がさらに音楽を深いモノにしている感じすらするんですよ(笑)。

このCDをきっかけにして音楽以上に沖縄そのものに傾倒していく事になる私。
『録音状態の如何』にはそういうパワーすらあるんですね。

X (エックス)の『BLUE BLOOD』は何故あんなに音が悪く、名盤なのか。

『BLUE BLOOD』と『JEALOUSY』。

これらの、あまりにも日本の音楽の歴史の中で対照的な作品よ、、、

今の中高生にも絶大な人気を誇るXのこの名盤たち。そしてこの天と地の音質の違い。

前者は音が悪いランキング1位。後者は音がいいランキング1位!wwwww


で、ふと、なぜ『BLUE BLOOD』があれほどまでに音が悪いのか。かなり久しぶりにちゃんと20年ぶりくらいに分析的に聴いてみてわかった。。。。


それは、

ドラムレコーディングで使用したブース(部屋)が最悪だった。ということだったのだ!!!よ

CDの音が悪いというと、まだデジタルレコーディング技術が熟成してなかったとか、マスタリングが悪かったとか、色々言われますがそんな生易しいことではない!(笑)

『BLUE BLOOD』のレコーディングにおいてメインに使われたのは『CBS SONY信濃町スタジオ』である。諸情報をもとにするとオーケストラパート以外はすべて信濃町だ。

そう僕が駆け出しのとき地獄の日々を過ごした思い出したくもないスタジオ….


そこには3つのレコーディングスタジオがあり、おそらく使われたのは1stであろう。

当時1stと2stには『アイソレーションブース』と呼ばれた(一般的な意味のそれとは違い、固有名詞のように使われた)天井が高く鳴き龍(フラッタエコー)のする部屋があった。吸音処理がされていなく天井が高い割に面積は狭いので、上下方向の響きが極端に増幅され、一般的には禁忌とされるフラッタエコーが特徴的に鳴るブースだった。(何につかうんだろ、この最低な響きの部屋は、、、と入りたてのペーペーの僕すら思ったほどの響き)

※フラッタエコーとは『パン』と1発叩いてもびょ~~~~~んみたいな感じに響く、いわば位相感のめちゃくちゃ悪いフィードバック値の多いショートディレイの固まりのような短いリバーヴのこと。


で、今回スタジオのモニターで CDをじっくり聞いてみて、『BLUE BLOOD』の主要曲のドラムはこの『アイソレーションブース』で録られていたのだと確信した。


つまり「音が悪くて当たり前」だったのだ。

例えば4曲目の『EASY FIGHT RAMBLING』のイントロのドラムを聴いてみてほしい。なんか変なリバーブというかディレイがかかってるでしょ?


これがまさに『アイソレーションブース』の特徴的なフラッターエコー的な音響特性。

この曲のこの部分のミックスではかなりアンビのマイクが上がってるので非常にわかりやすい。

他にも『BLUE BLOOD』や『ウィーケン(ケンケン)』でもこの性質の響きを大きく感じることが出来る。また、フラッターエコーの特徴である「位相感の汚さ」は『BLUE BLOOD』のハイハットがチュルチュルいってる事でも分かる。はじめ「なにこれ。マスターはMD???wwww」とか思ったほどだもん。

この、分離も悪いわ、残響多いわしかも位相もおかしいわ、しかもコンソールから離れているわ(『アイソレーションブース』はコンソールルームとは真逆の位置であったのでケーブル長が何十メートルにもなるから音痩せがパない)….。悪い条件のオンパレード。

それにしても何故このような決定的なミスを当時のエンジニアが犯したのだろうか?

あくまでも以下は想像だけど、

「ラウドな響きで録るのがドラムレコーディングの基本」と、当時まだ思っていたか(時代的にありうる)、ヨシキ本人がこっちの響きが気持ちいいもーん!と、思ったか(あくまでも叩いていて)、のどちらかだと思うの。


日本の音楽史上、かつてそれまでには無かった音数とスピードのドラムスタイル。エンジニアもどういう風に録ればいいかわからなかったのか。

または、えー?こっちで録るの?無理無理!!!

と、エンジニアが思ってても若いゲイリーさんが強行したか、のどっちかとしか思えないのだ。

『BLUE BLOOD』全体を聴くと『アイソレーションブース』ではない位置で録った質感のものも含まれているので、途中でこれはヤバいとセッティング場所を変えた可能性は大いにある。


では、何故音が悪いならセッティング場所を変更した後の音を全ての曲で使わなかったのか?


それは『演奏の鮮度と精度』の事情ではなかろうか。

それと『もうなにがなんだかわからなくなってた』

かもしれないという、この二点が想像される。


まず、『演奏の鮮度と精度』の問題。

このアルバムのレコーディングはハードすぎてエンジニアがぶっ倒れたというのは有名な話しであるけど、

『BLUE BLOOD』にしても『X』にしても何テイクも何テイクも苦労して録った中、一番いい演奏だったのがその『アイソレーションブース』で録ったものだったのではないか?ということ。


二つ目の『なにがなんだかわからなく』、、、は、あまりにレコーディングがハードすぎてエンジニアもメンバーもスタッフも体力や集中力の限界で、皆どんな音が鳴ってるかわからなくなり音が悪いことに気がつかなかった、または、わかっていてもスルーしていた(mixでなんとかなるやろ…)のかも知れないということ。

音が悪くてもいい演奏が獲れてることの方が優先するのは当然だし、ましてやヨシキが「このテイク!」と言ったら覆せない現場の様子も安易に想像できる。


音が悪い悪いと言っても、『エンドレスレイン』や『UNFINISHED』あたりはそこまで音が悪くない。つまり、それらの曲はドラムの音数が多くないってことの証明でもあるのですが。


『アイソレーションブース』のその特徴的な響きの音は、ディレイの塊に近い特徴的なリヴァーブの「枝感」が程よく溶けるようなぐらいの音数のアレンジにおいては威力を発揮するんです。

例えば同じ信濃町の『アイソレーションブース』で録られた聖飢魔Ⅱの『FIGHT FOR YOUR RIGHT』。

https://music.apple.com/jp/album/fight-for-your-right/1081764212?i=1081764220

このぐらいの音数になりますと結果的に往時の素晴らしい生ドラムサウンドが聴けます。

Xほどのスピードと音数のドラムには7~80年代の設計思想のレコーディングスタジオでは『前時代すぎてダメ』だったんすね。。。

こういったルームサウンドは80年代の流行りであって、パワーステーション(バンドであり、スタジオでもある)に代表されるようなこういったリヴァーブ感は1970~80年代のスタジオ設計の王道でもあったとも言えます。(信ソ(1978年竣工)はあまりにフラッター傾向が強すぎるけど )

例えば、1980年のピーターガブリエルの作品で有名になった「ゲートリヴァーブ」もこの音色感を機械的にさらに押し出したものといえるでしょう。まあつまり、こういう響きはシンプルなアレンジでないと生きなかったってことっす。


時に1989年。日本の街じゅうを震撼させた『BLUE BLOOD』が発売されたのが。


たしかにこの手の響きの部屋でドラムを録るというのは当時の ”日本では” 未だスタンダードな手法だったのかもしれないけど、あそこまでの音数とスピードのドラムに対して日本のレコーディングエンジニアは全くついていけなかった、というのは間違いのないことかもしれないでしょう。(その2年後の『JEALOUSY』の別次元に進化したXのサウンド(海外で海外のエンジニアによる)たるや。。。)


で、ドラムの音が悪いばかりにほかのギターや歌、ミックスまで悪く聴こえてしまった「好例いや悪例」の『BLUE BLOOD』。(ドラムをましに聞かせるために他の楽器の音をショボくせざるをえないという悪循環も発生)

しかし、どんなに音がアレであっても、その音楽的魅力や価値は決して失われることはないんですねぇ。


こういった若き日のヨシキやXというバンドの苦労や苦悩、スタッフを含めた『音楽を作るということの過酷さや美しさそして素晴らしさ』を伝えるエピソードや、聴く人に色々なストーリーを想起させ、想像力を掻き立てるその音質含めた『作品としての質』。それが今でもこの作品が愛される最大の理由ではないでしょうか。


音楽そのものの魅力だけでなく、そういった事まで含めて「作品の魅力」となるという。


これこそがドラムレコーディング、いやレコーディングというアートの本来のあるべき理想の姿であると、僕は思うのです。

最高に素晴らしい至高の録音芸術、それが『BLUE BLOOD』なんですね

ネットで唯一拾えた信ソの画像。。。もうこの建築は、ない。

ネットで唯一拾えた信ソの画像。。。もうこの建築は、ない。

ビンテージ系ドラムサウンドのすげぇところ

 ツイッターに

「自分がプロデュースしたりディレクションする時は殆どがクリック無しで、「もっと前で」とか「大サビなったら走ってくれ」とかいう内容に終始する(笑)

クリックに合わせて叩けるひとよりそういう音楽的な解釈をすっと理解出来て、すぐ実現できるドラマーが好きです。」


と、書いたんだけど、まあそれは「クリックに合わせてまーす!」って感じになっちゃうドラマーやアンサンブルが嫌いなので、だったらクリックいらんやろ!

ってのが元々の発想なんですが、すごいことに気がついたんですよ、さっき。独断と偏見ですけど。


自分の好きなそういった「走ったり揺れたり”自由自在なグルーヴ”ってラディックとかロジャースとかのビンテージ系のサウンドの楽器じゃないと音楽的に聞こえ難いんじゃないかなって。


極端にいうと、いまのメタル系とかエクストリーム系?とかの音色やヒュージョンぽい無駄にハイファイな音色の楽器だと美味しく聞こえないんですね。(独断と偏見)


つまり、あのふくよかで程よく余韻があり全体が一体化してるドラムの音色がグルーヴを補強してると思うんすよ。


なんで打ち込みのドラムがキモいのか。

それは毎回同じ音色やパルスが繰り返えされるからなんです。(多少レイヤーしてるとしても)

毎回ちょっと違うから気持ちいいんですね。どんなにショットが安定してても毎回違う。

街を歩いてる人間が全部同じ顔だったら気持ち悪くないすか?


朝ドラの登場人物が全員同じ顔だったらキモいすよね。


そういう曖昧さを優しく包み込む音色と、そうではない音色ってドラムにもある気かするんですねー。


レコーディングではそういう部分を大事に録らないと

「意味ないよ」

 

 

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山形のド田舎で公務員やってる古い友人のドラマー。包容力すごい、人としての。 

歌手•ボーカリストのドラムの音色の考えかた。

最近良く思うのだけど、ボーカリストのみドラムの音色に対して「別の」感覚を持っている気がするんです。


普通、ギタリストとかベーシストつまり楽器の人からすると

「(俺の)邪魔にならない音•音色」を求めてる気がします。


で、ボーカリストはどんな音を求めてるかというと、

「気持ちのいい音」なんですよ!


ギタリストなんかは、自分の音しか聞いてないから気持ちいい音かどうかってより「邪魔しない音」が欲しい(笑)ソリスト系のミュージシャンに多いですね、ギタリストに限らず。


ボーカリストはその歌いやすさのためや「自分が主役である」という自覚や自負があるため、音数がシンプルである事を要求します。

しかし、シンプルなだけではだめなんですよ。「心地いい音色」を求めているのです。シンプル故にね。ドラムだけでなく全ての楽器に。


ことドラムでいいますと、音数が少ないけどもリズムの隙間を心地よく感じさせる音色を無意識に求めています。


ただ分離がいいだけ、アタックがあるだけ、派手なだけの音色では気持ち良くないのでしょうね。イコールそれは歌いやすさと同義。


音符と音符を繋ぐ、心地いい音色を求めている。


そもそも「邪魔」とか「気持ちよくない」音色を出すってのは演奏家としては言語道断なのですが、マイナスをプラスにするための考え方ではなく、良いものをさらに良くするような考え方を演奏にも音色にも当てはめて行けるようにしたいですね。


音が良いなんて当たり前じゃなきゃダメなんですね。



さらに音良く、さらに高みへ!


と、チョー有名な歌手がなぜドラマーをコロコロ変えるかの話をきいてて、答え合わせが出来た次第です。

ていうか、ほとんどの一般国民•リスナーはこの歌手の感性と一緒ですよ。きっと。 

 

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きゃぁ、江戸前さんのドラムの音色チョーいいんだけど ♡酒が進むわ♡

ANZU 

音を信じ伝えるといふこと

 あるあるなんですが、

ウチで録った時点にその場で「素晴らしいドラムの音です!!!」って感動していたようなサウンドが、本人自身がミックスした完成品を聞かせてもらうと全然別な音になってることが多いんです。何でこんな事になるのか。音についての真のイメージを持ててないのか、「弄ってなんぼ」というやってしまうのか。

どのように悪くなるかというと、

レンジが狭くダイナミクスもなく歪みっぽくなって平面的なサウンドになっている。

「音の悪さ」 の三拍子揃った感じにしてしまっている。


「わかってる」はずなのにそういう悪い方向に改悪(してるつもりはないのだろけど)してしまうというのは、ミックス作業というプロセスを安易に考えすぎているということなのでしょうか

そもそも、音を信頼していないんだろうな。。。


今目の前にそこにある音を、そして「いい音だ!」と思った自分自身の感性すら信じていないのかも。


もっと信念というものが音には欲しい。

 ネットに書いてる「ドラムサウンド処理テクニック」「ミックス技法」「コンプやEQ」の使い方。

 

みたいのを全て無視してやってみるのが一番いいでしょうね。 

 

 昨日奈良の唐招提寺に行ってまいりました。京都や同じ奈良でも東大寺の喧騒とは全く違うくて静かな御寺。

 鑑真和上が中国から自分の信じる「仏の教え」と「戒」を授けるために何度も渡航に失敗しつつ最後は盲になってまで「信じる仏」を信念を持って伝えに来たその証である唐招提寺。

なにかを伝えることの尊さ、難しさは誰でも等しく情報を発信出来る•情報を得ることの出来る現代では考えられません。 

 音楽を表現し伝えることとは一体なんなのでしょうか。。。

唐招提寺の桜。いや、梅? 

唐招提寺の桜。いや、梅? 

シンバル沼の畔より眺るといふはなし

昨日は、山の会(山村牧人氏、横山和明氏、山本拓矢氏の三氏)を中心としたシンバル沼の住人達の会を眺めてきました。

講師陣には他に小出シンバルの社長さん、ARTCYMBALのこれまた山本さん、テックの土田”つーちー”さん、シンバル加工の旗手延命寺さんという、もうここに爆弾落ちたら日本のシンバル終わるレベルのメンツ。お客さんにも某DMの編集長からあの方やらこの方まで。。。


自分がこういった会合に参加するにあたってはまず、シンバルの新製品が!とか、シンバルの材質が云々!とか、シンバルを加工するとどうなる云々、とかそういうことをもちろん学ぶ為ではあるけれど、なによりもシンバルを作るひと愛するひと、それを基に素晴らしい音楽を奏でるひとを「感じる」為と言えます。
そういった人々やその技術や歴史•文化を理解し敬意を持たなくてはそれを「録音」したり「ミックス」することは出来ないと思うからです。

コンサートの音響の世界は「PA」から発展して「SR」と呼ばれています。
つまりパブリックアドレス=”拡声”だったものが、近年の会場の大型化に伴いサウンドレインフォースメント=”音の補強”という意味合いに変化してきたとは、つっちーさんの弁。

その通りです。レコーディングの世界はそれの最たるものです。
音楽の表現のためなら「補強」だけでなく「改変」「編集」すら厭わないわけです。

その時にシンバルだけでなく太鼓全体•楽器全体•音楽そのものに対する理解と敬意がなくては「補強」どころか「損壊」を起こしてしまう。

そういったことが起きないように、その理解を深めるためにこういった会にお邪魔するわけですよ。

音楽に「職業として」携わる人たちは今一度この視点を忘れないようにしたいものです。


つっちーさんの弁によると、「ダークなセットにはブライトなシンバル」逆に「ブライトなセットにはダークなシンバル」を組み合わせるとよいとのこと。
これも納得ですね。シンバルがキラキラしすぎているとドラムサウンド全体の重心が上がったように感じますもん。
またそれは音楽全体•ミックス全体の印象すら左右するのです。さらにその叩き方自体がサウンド全体を支配することすらあります。

参考ブログ
https://www.edo-mae-recordings.com/blog/2018/3/14

他にもARTCYMBALの山本さんの
「シンバルには音の指向性がある」
という話しが面白かったですね。

マイクはもとより弦楽器や管楽器やアンプ類に指向性があるのは身近に感じるのですが。。。

参考ブログ (江戸前的シンバルの選び方にも言及)
https://www.edo-mae-recordings.com/blog/2017/8/23

とにかく為になる「シンバル沼の会」を沼畔から眺めた件についてのブログでした!(笑)

『スネア女子』スピンオフ『ロジャース女子』公開中

https://www.edo-mae-recordings.com/snare-girl/rogers-girl-anzu

ドラマーでも分かる算数

 江戸前調べだけど、誰よりも早く叩きたいとか、誰よりもテクニカルでありたいとか、誰よりもデカイ音で叩きたい!というのは沢山あるけれど「誰よりもいい音で叩きたい!」という人が圧倒的に少ない。(じゃ、何を基準に楽器を選んでるの?)

「いい音」とはドラマー以外にもわかってもらえる「唯一」の要素です。

ちなみにドラマー以外=クライアントになる可能性がある人物

という事実を忘れすぎてる人が多い(笑)

 

 

体感だけど、ドラムにテクニックやスピードを必要とする音楽というか「現場」数を1とすると、それらを必要とせずいい音を必要とする「現場」は5はある。また、テクニックじゃなく「サウンド(グルーヴ含む)」を徹底的に追求しているドラマーはプロ志望4人に一人ぐらいの印象。つまり。。。

つまり5x4で、テクニック志向のドラマーよりもサウンドやグルーヴ志向のドラマーの方が仕事が20倍ある計算になる。


気がつこうよ、早く。なるべく20歳頃に。。。。。(笑)


人生変わるってば。


手数やスピードだけ重視する業界全体の雰囲気が良くないのだというのを某専門誌の編集長ともよく話ししてる。だからこそこ先のドラムコンテストであったわけで、真の意味でそれを理解出来ていたエントリードラマーは何人いたのだろうか。。。。

ホントに切実な島国的な問題。

 

 ちなみにドラマーには算数だけでなく国語も大切なんです。

そのコンテストの応募要項読んだんでしょうか?タイトルは「アンサンブル」じゃなかったですか?(笑) 

アンサンブルは日本語じゃないか(笑) 

 

 あとはコミュニケーション力かな。

一言多い奴って嫌われるでしょ? 

ドラムのフレーズもなんかサービス精神か何かしらないけど、ちょっと個性入れてやれ!とか一工夫入れてやれ、一発目立ってやれ。。。 

 それが要らないの。

 

レコーディングのエンジニアリングもしかりだよ。タムのこの余韻切っておいてあげよう、タイトにしといてあげよう、アタック付けといてあげよう。

 

その大きなお世話は全く必要なし! 

おととい来やがれ!。 ←余計な一言の例

 

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新年にあたりドラム業界を憂う戦士達(ISEYA前にて)

本当の『抜け』とはなにか。

2019年明けましておめでとうございます。

さて最近滞りぎみのブログですが、新年1発目は全ての楽器に言える音の根本問題・みんなが固執する

音の『抜け』について書きましょう。

昨日ウィーンフィルのnew yearコンサートを見ていたところ、一発のシンバルがいい音だな〜〜〜ってなんとなく思っていますと、twitterで某オーケストラ関連の仕事の方が

『ウィーンフィル見てます。やっぱシンバルってこのくらいの鈍さがあっても良いと思う。最近のは上がで過ぎ』と書いていて

自分はすかさず反応。『それは本来の抜けじゃないんすよね。 さっきの一発の話しすね(笑)』と

するとOさんは

『そうなんですよ、さっきの一発ね。今のピアニッシモとかも抜けていて情報量が多いですよね、シンバルだけマイクで狙ってんのか?ってくらい前面に質感が飛び出てて凄い。音量と硬質化で戦争してんじゃないんだってことがわかればもっとよくなると思いますよ。』と。

ようするに『抜け』ってHIが出てればいいってもんじゃないってことをウィーンフィルの奏者は分かっているということ。

田舎のうちの父親が相当耳が遠いのですが、TVの音質調整を『Hi +15』とかにしていとても聞いてられないんですけど、『大いなる勘違いです』

そりゃ高域が特に落ちてるのはわかりますけど。

ご老人を呼び出す病院の待合室の呼び出しのアナウンスで甲高い声を出したりは逆効果。診察中の話しかけもしかりで優秀な医者は低いトーンで優しく語りかけるとなんかで読んだことがあります。

そうつまり、ジャパネットたかたのあの社長の声は実はテレビ的なキャラクター性は別にして、老年代への音声認識的には弱かったと言えるのです。ちょっと低めに話すだけで2~3割さらに売り上げが上がったかもしれないのです。(しらんけど)

またこういうこともありました。昨年夏甲子園を見に行ってんですが、なんと全くアナウンスが聞こえてこない。さしすせそしか聞こえないというwwwwww

これも音響会社のおおいなる勘違いでして。。。。。そういうチューニングにしちゃってるんですね。これはプロ音響という分野として考えて相当やゔぁいことだと思うんですけど。入札で安い業者にしてしまったためなんでしょうか(笑)

特にドラマーさん、耳が悪い方が多いのとHiが落ちてる方が多いので、パイステとかのキラキラ系のシンバルを選ぶ方が多いです。もちろんいい音色ですけどそんなぶっ叩いたら音が崩壊しますよって。だったらもっとダーク系のシンバルの方が全然抜けてきます。

最近の楽器はシンバルからベースからフルートに至るまで音が硬いのが好まれる傾向ですが、すべてとは言いませんが『この勘違い』からきているところが多いです。

平手のパシっていうビンタより、グーによるボディブローのほうが効くんですよ。

自分の音が抜けてこないと悩む方々は、まず、Hiを下げて中低域の扱いに気を使った方がいいですよ〜〜〜

音の『抜け』とは、キラキラ感ではなく

『そこにあるという実体感』

なのです。

日本のMIXはHIの競争で結果LOWのない薄っぺらい音になってるのもこういうところから来てますね。絶対。

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