江戸前レコーディングスの鹿間朋之です。いつもお世話になっております。

我がEDo-maeのサイトですが去年リニューアル致しまして、その際残念ながらご好評頂いてましたBLOGも自動的に消滅。。。しかし再開の希望も多く、今、ここに、その再開を宣言するものであります。(笑)

暇な時とは言わず週に1-2回は更新してレコーディングについて、ドラムサウンドについて、音楽の深遠なる世界について、オッパイについて等等書いてゆこうかとおもいます。

差し当たりネタが思い浮かびませんので、旧BLOGの資産を有効活用すべくその中からちょくちょく修正や加筆をして再掲させても頂こうかとおもっています。もう皆さん内容を忘れているにきまってるので(笑)

コメント欄やいいねボタン、シェアボタンもありますので、お気軽に拡散頂けますと僕の今夜のBEERが美味しくなります。よろしくお願い致します。

んなわけで。

CDという録音作品においてドラムサウンドというのは音楽全体のハイファイ感やローファイ感また、時代やジャンル感を強烈に引っ張る作用があります。
そこにはタイコ自体から出ている倍音の性質や、バランス、サステインやアタック感などすべての音の要素が関わってくるわけです。叩き方ももちろん関係してきます。コーテッド系ヘッドで優しく鳴らすのと、ピンストをがっつり叩き切るのでは漂ってくる雰囲気が全く異なってきます。

CDをプロデュースする際、欧米のプロデューサーはやはりドラムサウンドをコントロールするのに非常に長けています。日本のプロデューサーはどちらかというと収録後のミックス処理や他の音を重ねていく事でサウンド作りをする傾向がある気がします。それはスタジオ環境や使える予算、時間の余裕などにも関係してくるのでしょう。予算も時間も「心の余裕」もないのにドラムサウンドに一日掛ける、などというのはありえません。また、一流スタジオミュージシャンほど自分の音を持っているもので、よほどの統率力と引率力そして音のビジョンを持つプロデューサーでなければ、ドラムの音作りにめちゃくちゃ時間を掛けるというふうには現場はなかなかならないのかもしれませんね。

つまり、日本では「ドラムの音なんてこんなもんでしょ?」というようなムードが一般的(こだわってないとか、気を使ってないなどと言うつもりはございませんが)。しかし僕の場合はやはりそこは超ウルトラスーパー最大に重要なポイントであり、関心事で音の要であります。膨大な楽器で質感を追求しなくてはならないのです。時間は掛かって当然なのです(自分のプロデュース作品の場合)。もちろんクライアントの要求の度合いにもよるのですが。

ここでドラムサウンドを作る上で参考になる音源をひとつ。

Meshell Ndegeocello / Weather

プロデュースはジョーヘンリーです。アコースティックでトラッドな雰囲気の中に非常にアーバンで洗練された音作りをするアーティスト•プロデューサー。ミッシェルのルーツである土着なサウンドを高貴に仕上げています。この音を聞くたびに音楽の「質感」にいのちを掛けるような深淵さは日本人にはないのか(もちろんそれがある人もいるにはいます)、と悩みすらしています。このCDの場合のようなサウンドはアフリカおよび欧米由来のサウンドなわけですから、日本人にそれを求めても仕方がないといえば仕方がないのかもしれませんが。。。

この作品のドラムサウンドのポイントは、キックとスネアで泥臭いテイストを出しつつもタムがとてもモダンなサウンドになっているということです。曲にもよりますが。
ビンテージラディックな三点にタムだけdwやソナーを持ってきました。みたいな異種混交な音作りに痺れますね。録音処理的にはハイファイです。
もちろんギターなどの弦楽器、ピアノも見事。ミシェルの声の質感も全て高度にスーパーコンピュータで計算されたかの如く。ビンテージライクな太鼓をハイファイに録りつつ周りの楽器の質感に泥臭さをあえて残している座布団三枚!な処理。

ぜひこれから来る梅雨の夜長にでもアフリカの月を愛でながら聴きたい音楽です。

あ、ここ日本か。
座布団で思いだしたけど結局所詮は笑点のopテーマみたいな音楽の方がほとんどの日本人にはぐっと来る。
そおいうものです。ルーツとは。

初出 2014.6/8

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