EDo-mae Recordings レコーディングスタジオ

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本当の『抜け』とはなにか。

2019年明けましておめでとうございます。

さて最近滞りぎみのブログですが、新年1発目は全ての楽器に言える音の根本問題・みんなが固執する

音の『抜け』について書きましょう。

昨日ウィーンフィルのnew yearコンサートを見ていたところ、一発のシンバルがいい音だな〜〜〜ってなんとなく思っていますと、twitterで某オーケストラ関連の仕事の方が

『ウィーンフィル見てます。やっぱシンバルってこのくらいの鈍さがあっても良いと思う。最近のは上がで過ぎ』と書いていて

自分はすかさず反応。『それは本来の抜けじゃないんすよね。 さっきの一発の話しすね(笑)』と

するとOさんは

『そうなんですよ、さっきの一発ね。今のピアニッシモとかも抜けていて情報量が多いですよね、シンバルだけマイクで狙ってんのか?ってくらい前面に質感が飛び出てて凄い。音量と硬質化で戦争してんじゃないんだってことがわかればもっとよくなると思いますよ。』と。

ようするに『抜け』ってHIが出てればいいってもんじゃないってことをウィーンフィルの奏者は分かっているということ。

田舎のうちの父親が相当耳が遠いのですが、TVの音質調整を『Hi +15』とかにしていとても聞いてられないんですけど、『大いなる勘違いです』

そりゃ高域が特に落ちてるのはわかりますけど。

ご老人を呼び出す病院の待合室の呼び出しのアナウンスで甲高い声を出したりは逆効果。診察中の話しかけもしかりで優秀な医者は低いトーンで優しく語りかけるとなんかで読んだことがあります。

そうつまり、ジャパネットたかたのあの社長の声は実はテレビ的なキャラクター性は別にして、老年代への音声認識的には弱かったと言えるのです。ちょっと低めに話すだけで2~3割さらに売り上げが上がったかもしれないのです。(しらんけど)

またこういうこともありました。昨年夏甲子園を見に行ってんですが、なんと全くアナウンスが聞こえてこない。さしすせそしか聞こえないというwwwwww

これも音響会社のおおいなる勘違いでして。。。。。そういうチューニングにしちゃってるんですね。これはプロ音響という分野として考えて相当やゔぁいことだと思うんですけど。入札で安い業者にしてしまったためなんでしょうか(笑)

特にドラマーさん、耳が悪い方が多いのとHiが落ちてる方が多いので、パイステとかのキラキラ系のシンバルを選ぶ方が多いです。もちろんいい音色ですけどそんなぶっ叩いたら音が崩壊しますよって。だったらもっとダーク系のシンバルの方が全然抜けてきます。

最近の楽器はシンバルからベースからフルートに至るまで音が硬いのが好まれる傾向ですが、すべてとは言いませんが『この勘違い』からきているところが多いです。

平手のパシっていうビンタより、グーによるボディブローのほうが効くんですよ。

自分の音が抜けてこないと悩む方々は、まず、Hiを下げて中低域の扱いに気を使った方がいいですよ〜〜〜

音の『抜け』とは、キラキラ感ではなく

『そこにあるという実体感』

なのです。

日本のMIXはHIの競争で結果LOWのない薄っぺらい音になってるのもこういうところから来てますね。絶対。