今回はいつものドラムに特化したマニアック?な内容ではなく、一般的な広い意味でのレコーディングのお話しです。

江戸前のお客様にはもちろんtopプロやレコーディングの経験の抱負な方もいらっしゃいますが、ほとんどスタジオレコーディングをやった事がない、または初めて!という方も多いです、めちゃくちゃ。

レコーディングというのは初めての場合まるで自動車の運転のごとく危険でよくわからない、しかし、運転してしまうと楽しくてしょうがない、みたいな世界です。
運転ならまずはエンジンの入れ方から始まり、ギアチェンジの仕方(今はオートマが一般的でしょうが)ハンドルの切り方に加え、前後左右の距離感覚、スピード感覚など研ぎ澄ました経験が必要となります。
レコーディングもまさにそれ。ただマイク立てて演奏すればいいというものではないといえます。

まず何よりも大切なのは事前に演奏とアレンジを完全にしておくという事ではないでしょうか?
自分の演奏を練習しておくのは言うまでもありませんが、仕上がりを見据えたアレンジ、つまり、左右のPANや奥行きなどの音の配置という意味の立体感をイメージしたアレンジをしておく事が大事です。これは和声的なアレンジ、 楽器編成的アレンジと同じかそれ以上に大事なアレンジポイントですよ。この部分をイメージせずスタジオに来てからあーだこうだ言っていたら日が暮れますね。

二つ目は一つ目と関連する事ですが、各楽器をどういった音色、トーンで録音したいのかを考えて置く事ですね。それは単にスネアは何を使いギターのエフェクターは何を使うというのを考えておく、という狭い意味ではありません。各楽器間の音量の大小だけではなく音像の大小関係まで見据えた立体のイメージが必要になります。

例えばシンガーソングライターものなのに、歌の録り音が細くてギターやドラムに『存在感的』に負けてしまうようではモトも子もありませんよね。それは音量だけでなく例えばマイクとの距離感なども深く関わってきます。つまり、ただ音量レベル的に適性に録音出来ていればいい、なんて簡単なものではありませ ん。
音量だけでなく、音響立体の中でどのような立ち位置なのか、どう聴かせたいのかのバランス感が非常に大事で、結果作品の質を左右してくるのです。

蛇足ですが、かのjudy and maryのドラマーがおっしゃっていた事です。
ジュディマリのmixはドラムが小さめで逆に歌の存在感を全面に押し出していますが、それはわざとだと言っていました。

『(悪い意味で言ってるわけではない)YUKIのような上手くない個性的な歌程とにかく全面に出すmixの方がいい。
下手だから引っ込めるのは逆効果、これ、あるときにTAKUYAとあーだこーだ試行錯誤して意見が一致したんだよ~』

つまりこの場合、ドラムがやたらかっこ良くフューチャーされてても駄目な場合があるということです。
歌モノの場合、歌がリスナーに届くのが命!
(いろんなドラムチューナーの氏も、サビでいかにスネアの存在感を消して歌を下支えするか?、について言及・実践しています)


最後に大事なのは、意外と皆さん適当になりがちですが、スケジュールの立体感覚です。
漠然と○時間で何曲、なんて決め方ではとても不効率です。
まず始めの二時間はみっちり音決するというところから始まり、○時から○時はドラムベース、ドラムをOKしたらドラムを撤収しながらベースを治しつつ、ギターのセッティングをする、というような細かいイメージ設定が大事です。

また、一日に二曲以上歌を録る必要がある場合、連続で歌うのは非常に酷です。ナンセンスとまで言えるかもしれません。歌が1番大事なのではありませんか?
そこで、歌はこのタイミングで一曲、で次はここで一曲、その間は何々をしておく、などと細かく計画を立てるとよいでしょう。もちろん何時に歌い始めるから何時に起床しておく、というような自己管理が大事なのも言うまでもありません。
だいたいのボーカリストは午前中は声が出ません。起床後6時間はレコーディングクオリティの声には必要と言われています。

一時間ウン千円もスタジオ代金を使うのですよ?この時間的立体感覚は最も大事ですね。効率良い制作はクオリティを何倍にも上げるのです。
ここでエンジニアさんに気を使う必要は全くありません、ぶっ続け12時間とかべつに、「余裕」ですから(笑)

以上レコーディングに非常に大切な三つの立体感、3-3Dでした。ご参考まで。

細かいアドバイスご相談はいくらでもお受けしておりますよー御気軽に。
(=゚ω゚)ノ
 

ひかり、陰、シャープネス、ボケ、、、配置、奥行き、バランス。。。。それらはレコーディングにも絶対必要な『立体要素』。。。。。photo by Tomoyuki Shikama from SNARE GIRL "RACCO"

ひかり、陰、シャープネス、ボケ、、、配置、奥行き、バランス。。。。それらはレコーディングにも絶対必要な『立体要素』。。。。。photo by Tomoyuki Shikama from SNARE GIRL "RACCO"